「人事を制する者は経営を制す」

真の”学ぶ”ということ


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その社長は、次のようにお話をしてくださいました。

「もし私に、西園寺さんが『経営者にとって大切なリーダーシップとは何ですか?』と聞いてきたとしよう。
 それに対して私は、例えば『不動心が大切だ』と答える。
 そして西園寺さんは、”そうか、不動心が大切なんだ”と思って、それをメモする。

 けど、それで本当に社長としての大事なリーダーシップを学んだことになるだろうか?
 それは、”知識”でしかないんだ。
 
 私は、”本当の意味のリーダーシップ”を教えることが実はできないんだよ。
 私が西園寺さんにできることは、”話をして、気づかせる”ことしかないんだ。

 これは、学生に対しても同じ。
 コミュニケーションの大切さを気づかせることしかできないんだよ。
 つまり、本人が過去の経験と照らして『あっ、このことか!』と気づく、ということなんだ。

 であるならば、本人が実際に社会人にならなければ、経験も何もないわけであって、”暗黙知”も生まれてこない。
 私たちがしてあげられることは、過去の経験の中から『これが大切なコミュニケーションなんだ』と気づかせ、引き出してあげることなんだよ。

 ということは、「コミュニケーション力を高めるために小説や演劇を通して表現力を向上させる」という企画は、社会人経験者には効果的だけれど、学生に対してはムリなんだ。」

コミュニケーション力を高める場を与える前に、「未来の働き方」を自分たち自身で考え、創り上げ、提案しなければならないんだよ、そうおっしゃって、社長のお話は終わりました。

 





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