休日を利用して、「悩む力」という本を読みました。
著者が述べるに、明治時代に活躍し、
小説にさまざまに時代を表現した夏目漱石が苦悩した内容が、
現代が抱える問題と重なるとのことでした。
例えば、明治時代にうたわれた個人主義。
家制度や共同体、国家に忠誠をつくし、
ある意味では自我に苦悶する必要のなかった日本人が、
個人を規定するものから自由になれる環境の中で
他者とわかりあえない孤独や、繋がりの喪失感を持ったといいます。
それは現代にも通じており、
地域社会のつながりや家族のつながりが薄れ、
情報は簡単に手に入るという、自由に生き方を選べる社会の中で、
自我ばかりが肥大化している。
自分の世界を強固に守り、他者と関われない、
深く他人と関わらない若者が
苦悶しているのではないかと述べられていました。
私は、人は他者からの承認がなければ、
自分の価値を感じられないのではないかと思います。
自分とは何かという問いは、
自分だけを見つめていても見えてはこず、
他者との関わりや社会との関わりの中で見えると思います。
自由の代償が孤独というのはなんだか悲しい事態です。
そんなことを考えた休日でした。
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